N保育園の音に関する様々な比較

N保育園での室内で、保育活動時の環境音の大きさを測った測定を行った際のデータを掲示します。
音データは吸音工事の前と後で、それぞれのデータの比較を行います。

音データ

スタートキー をクリックすると音声が再生されます。

吸音前

朝の活動

うたの活動

お帰りの活動

吸音後

朝の活動
①/②

うたの活動

お帰りの活動
①/②

  • 聞いていただいた保育活動中の音は、4歳児保育室で録音したものです。
  • 工事前は室内の音が響く環境(残響時間が長い)なので、子どもたちが話している言葉は音が混じりあってはっきり聞こえません。しかし、工事後は「残響時間」が減ったので発話の中の言葉が聞きとれるようになりました。

音量比較

比較グラフ1

工事前(6月21日)と後(2月21日)の図(環境音測定結果):縦軸の(dBA)は1分間の平均値LAeq*を示しています。朝7時から夜8時までのデータです。
6月と2月の測定ですが、窓はどちらも閉められていました。

両日ともに「水曜日」のデイリープログラムで実施されましたが、グラフの青色の四角で囲われているところのみ、2月に他の保育室に移動する活動が入っています。

*LAeq:等価騒音レベル。ある時間範囲Tについて、変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として表したもの。睡眠影響やアノイアンス(人に感じられる感覚的なうるささ)との対応にも優れているとされている。〔参考:環境省「騒音に係る環境基準の評価マニュアル」〕。
環境音の音圧と実際の音源例とレベル例・・・100dB:ハンドブレーカー(解体工事等で主にコンクリートを削る手持ち式の機械)、80dB:地下鉄の車内、60dB:一般的なオフィス、40dB:図書館の中

比較グラフ2

前図と同様、吸音前(6月22日)と吸音後(2月22日)の図(環境音測定結果):縦軸の(dBA)は1分間の平均値LAeqを示しています。朝7時から夜8時までのデータです。

両日ともに「木曜日」のデイリープログラムで実施されており、ほぼ窓が閉められていましたが、グラフの水色の四角で囲われているところのみ、6月には他の保育室に移動する活動が入っています。

考察

  • グラフの青線(6月)と赤線(2月)を比べてみましょう。折れ線の動きから分かる音量の変化から、4歳児の保育室でのおおよその活動が予測できると思います。
  • 先ず、赤と青の線が違っているところは8時から8時30分にかけての「登園」のところ、次に1時過ぎから3時にかけての「午睡の時間帯」、さらには3時半から5時までの午後の活動時間帯で、差が大きくなっています。赤のラインは、吸音工事後、子どもたちが「眠りに最適な静かな環境」に居ることを示しています。
  • 実音からも子どもの声が響くことで、ひとり一人の言葉が明瞭にならないことがお分かりいただけたと思います。吸音をしないままだと、子どもたちの声の響きが室内に停留するため、より音が大きくなることがわかります。
  • 実音と図を両方併せてみると、吸音工事を行ったことで、①子ども声の「うるささ」が継続しないこと、また、②吸音工事によって歌詞がかなり聴きとれること、中には歌詞だけを叫ぶ子の声が明瞭になりました。
  • 保育室内がどのような音の響きの特徴なのかを知ると、子どもとのかかわり方や遊びに、これまでとは違った工夫やアイデアが出てきます。

残響時間の比較

上記のグラフは、赤のラインは工事前の残響時間、青のラインは工事後の残響時間の状況を示しています。保育活動が行われている室内は「子どもの声」が常に聞こえています。吸音工事前の残響時間ほぼ1秒の状況では、大勢が大きな声ではしゃいだりするととても騒々しく聞こえます。工事後の残響時間0.5秒ですと、賑やかさはありますが一人一人の声が明瞭にきこえます。

施工外観

吸音材を目立たなくするため天井面に吸音材を貼り、工事前と後の雰囲気が変わらないように配慮しました。