『聞く力』に気づく保育

保育者は、一人一人の子どもの声を聞いて活動を行っています。
子どもたちもまた、周囲の音や声を聞きながらさまざまな情報をひろっていますが
子どもたちにはどのような音がどんなふうに響いているのでしょう。
大人とは違う子どもたちの『聞こえ』の特徴を知っておくことが大事です。

『聞こえ』の発達と特徴

胎児のときからお母さんのおなかの中(内臓、心臓、血流など)の音や響いてくるお母さんの声によって聴覚を鍛えられている赤ちゃん。
0歳のあいだに聴覚の基本ができあがります。

新生児:
すでに内耳の反応は良好。
生後6ヶ月:
高い音の聞き分け力は大人並みに。
1歳:
静かな環境での聴力が大人並みに。

でも、情報を処理する脳の成長ははまだ追いついていませんから、子どもならではの「苦手」があります。
そのため、子どもたちの耳への負担を減らすために、大人が配慮することが求められます。

苦手なこと
・聞きたい音を選んで聴く
・音の流れを聞き分ける
・音がどこから出ているかを判断する

いろいろな音の中から「何かを聴き取る」ことが子どもにはとても難しいのです。

聴覚の情報処理能力は成人期までかけてゆっくりと発達します。
その中で、雑音の中での聴取力は4~6歳頃に大きく上昇することがわかってきました。

こうした「聞こえ」の発達の道のりと、それぞれの月齢や年齢における聞こえ方について理解し、子どもたちを取り囲む音の環境を整えることは、聴力のみならず、健やかな心身の発達に大きな影響を与えることになります。